「志国高知幕末維新博 竹内明太郎とダットサン」展示会開催

2017年11月23日、宿毛文教センターで「志国高知幕末維新博 竹内明太郎とダットサン」展示イベントのオープニングセレモニーが開催されました。

コマツ製作所の創業者であり、早稲田大学理工学部生みの親でもある竹内明太郎は、宿毛市出身の偉人。竹内明太郎の父である竹内綱(たけうちのつな)は幕末維新期の志士であり、明治時代には事業家、政治家としても活躍した人物です。また、戦後復興をけん引した吉田茂首相は竹内綱の五男であり、長男である竹内明太郎の弟にあたります。

国産自動車の代名詞ともいえるダットサン(DATSUN)。この車の名前は、開発に大きな貢献をした人物の頭文字をとって「DAT」です。そのうちの「T」が、宿毛市出身の竹内明太郎の頭文字。
今回のイベント「竹内明太郎とダットサン」では、日本の自動車黎明期を思い起こさせる「DATSUN」シリーズが5台と吉田茂が愛用した「ロールスロイス」を展示。宿毛市では初となる貴重なオールドカーの展示会となりました。

オープニングセレモニーでは、中平富宏市長が「DATSUN」の由来とイベントの趣旨を説明。つづいて尾崎正直高知県知事の祝辞、全日本DATSUN会佐々木徳治郎会長、宿毛市議会の岡崎利久議長が挨拶されました。全日本DATSUN会の佐々木会長は、「実際に動く動態保存にこだわって、一台でも多くDATSUNを後世に残したい。DATSUNのTである竹内明太郎の故郷・宿毛へ車を持ってこられたことを嬉しく思います」と想いを語られました。その後、(独)国立科学博物館 産業技術史資料情報センターのセンター長・鈴木一義氏による特別記念講演「竹内明太郎とダットサン」が行われ、宿毛市内外より150名近い方々が出席しました。

講演では、「総合産業としての自動車産業に目を付けた先進性」「日本の工業化の奇跡は必然」「みんなが乗れる車を作ろうという志」「人を創り、国を造る。引き継がれた志をその先へ」など竹内明太郎と日本の近代化について、様々な観点からお話を頂きました。

鈴木氏は「『先』という言葉は本来、将来のことだが、欧米の人たちの過去=先を目指したため、過去を表す言葉になってしまった。明治維新から150年、欧米ではなく日本の過去を知ることで、日本の将来を考える時期に来ているのではないか」と講演を締めくくられました。
同展示会に関わった皆さま、貴重な車を宿毛市にお貸しくださった皆さま、ご来場いただいた皆さまに深く感謝いたします。ありがとうございました。

関連サイト:全日本DATSUN会

     

 

 

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