2018年「寒蘭の里とさ宿毛展示大会」総合優勝は愛南町の宮崎末弘さん

宿毛市の花、“寒蘭”の開花を愛でる品評会「寒蘭の里とさ宿毛展示大会」が2018年11月10日・11日(土・日)の2日間、宿毛市和田の体育館で開催されました。
今年は幡多近郊の愛好家ら約20名から合計139鉢の名花が出品され、特別賞3鉢、金賞12鉢、銀賞13鉢、銅賞28鉢、合計56鉢が受賞の栄誉にかがやきました。

総合優勝は愛南町の宮崎末弘さん。青の部の作品で、薄緑の花弁が美しい「孤舟(こしゅう)」の一株です。
“空間のバランスが非常によい”との評価を受けて、大賞受賞となりました。
 
この鉢は、形よくしげった葉のあいだから花茎がすらりと天に伸び、天・中・下の花がまっすぐ前をむいた、非常にスタイルの良い逸品。
特に、前後斜め方向にはり出した葉はアシンメトリーな美を生みだし、モダンな雰囲気を演出しています。

受賞者の宮崎さんはこの道40年の大ベテラン。今回10鉢を出品し、そのうち8鉢が賞をとりました。
栽培過程で“針金を使わない”とのこだわりがあり、支柱と手での調整のみで、花のバランスを整えているそうです。
「先輩や仲間と株を交換しあったり、情報交換しあったりしながら切磋琢磨しています」と笑顔を見せてくださいました。

皇室の晩さん会にも飾られる“日本の美”、寒蘭
今年、会場には、昨年より多い約300人が来場しました。中平富宏宿毛市長は表彰式で、「一時期の大ブームは落ち着きましたが、寒蘭の人気は今、静かに再燃しているのではないかと思います」とコメント。愛蘭の愛好家らにエールを送っています。
続いてあいさつした土佐愛蘭会宿毛支部長の武田耕造さんは、10月末に行われた高円宮家三女・綾子さまのご結婚披露晩さん会の会場に寒蘭が飾られていたことに触れ、「この花は日本の美意識にしっかりと根をおろしている」として栽培技術の継承を訴えました。
     
清楚で可憐な美しさ――寒蘭の美

「控えめで清楚」、「少女のように可愛らしい」、「清涼で、よく磨かれた刀剣のよう」——。
栽培家の方々に寒蘭の魅力をたずねてみると、このような言葉が返ってきます。
まるで女性を誉めるときのようなフレーズに、寒蘭の奥深さと、栽培家の方々の深い愛情が伝わりますね。

同展示会で長年審査委員長をつとめている畑中将男さんによると、寒蘭の魅力はずばり、「気品」。
細くまっすぐな葉や花弁に秘められた、シンプルで凛とした美しさこそ、寒蘭が人を引きつける理由なのだと言います。
「かざらない美しさに心がなごむ」(畑中さん)。皆さまもぜひ、寒蘭の魅力を探しに出かけませんか。
ご興味のある方は、土佐愛蘭会宿毛支部までお問合せください。
土佐愛蘭会宿毛支部☎090-4975-9063(支部長の武田耕蔵さん携帯)

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