“みんなが主役” 〜二ノ宮元気クラブ〜
「161回」・・・。
これは「二ノ宮元気クラブ」開催の実績数字。ここに到達するのに16年の歳月がかかった。
宿毛市街地からはずれて、松田川上流を3kmくらいさかのぼってゆくと、100戸ほどの集落に出くわす。ここが二ノ宮地区。この集会所で月1回行われている老人を対象とした活動が「元気クラブ」だ。
国体の翌年、平成14年4月に発足し、この3月で161回目の開催となった。
宿毛市社会福祉協議会の活動の一環として65才以上の老人を対象に、地域の方々との交流の中で、明るく健康で文化的な楽しい生活を送ることができるように、若い人たちが支援する活動だ。
構成メンバーは、全体の代表者を地区長として、支援者17名(男性5名、女性12名)。利用者52名(男性18名、女性34名)でなりたっている。(この中の支援者は今や全員利用者でもある)
月1回の開催だが、8月は夏休み、9月は婦人会主催の敬老会で、年間10回である。
主な事業内容は
・松田川小学校3、4年生との交流は年3回
児童は全員自転車で元気に来所
自己紹介、リコーダーの演奏他
あやとり、ゴマ、50人一首等利用者と昔の遊びをする。
・二ノ宮保育園児との交流は年2回
かわいい歌や踊りにいやされる。
利用者一人一人とハイタッチ。
支援者の活動としては
第1月曜日(事前準備)
午前9時30分より、レシピ等の打合せ、
第2月曜日(本番)
全員午前8時から作業開始、11時30分までに昼食の準備、午後はおやつの準備で12名が終日テンヤ、ワンヤ、
利用者が帰った後は、片付け、反省会、午後4時に終了。
一例をあげてみよう。
平成30年3月12日 午前10時30分開始
1、 東日本大震災被災者に黙祷
2、 山本八重子さん受賞報告(後記)
3、 新聞記事朗読
4、 発声練習、楽しいひなまつり他合唱
11時30分 昼食
主食、おひな様の型のすし、
副食、しし肉の煮もの他4品
午後1時より宿毛警察署交通課による指導
スライド 交通安全講話
詐欺被害に関する説明
2時 おやつ さくら餅、コーヒー
16年間全体をリードしてくれた山本八重子さん
この記事を取材中にうれしいニュースが入った。
「元気クラブ」を語るには支援者代表、山本八重子さんが欠かせない。
今回平成29年度「第四回高知県かがやくシニア大賞」受賞と聞き、さっそくかけつけた。
彼女は第1回目より支援者代表として16年間全体をリードしてくれている。「みんなが主役」のキャッチフレーズのもと、豊かな人間性と責任感を持ち、骨身を惜しまず活動している。
彼女に対しては誰からも「NO」は出てこない。「よろこびの一言は」と聞くと、「この受賞はクラブ全員の受賞です」と答えた。陰の力のご主人も「みんなのおかげよ」とうれしそう。
クラブ員皆を大切に思う彼女の瞳の奥には、すでに200回達成に向かっての力強い意欲がみなぎっていた。
「みんなが主役」の合言葉のもと、お互いを思いやる和の心が「元気クラブ」の発展につながっているのだろう。