宿毛音頭

宿毛に乾杯

さあ皆さん、宿毛音頭に合わせて、昭和三十年前後の宿毛を散策してみましょう。

一、
春は河戸の瀬音も高く
清い流れにゃアユ踊る
土手の桜は色香に咲いて、
四国へんろの笠に舞う
宿毛よいとこ一度はおいで
ホンニヤレマタ来ておくれ

二、
夏は咸陽島磯浜づたい
主と二人で貝ひろい
かすむ島々うきねの鴎
乗って行きたや巡航船(以下同じ)

三、
夏はもみじの金比羅さまへ
かけた結びの願ほどき
ふもとひろびろ黄金になびく
兼山ひらいた米どころ(以下同じ)

四は省略

一、は、満々と水をたたえた流れ清き松田川の風情である。野中兼山が築いた「河戸の偃」は有名である。土手を下りると貸ボートが有り、若いアベック達が川上向けて楽し相にオールを漕ぐ姿はちょっとあこがれだったものだった。
又、山桜の花の散る道を、お遍路さん達が三十九番札所(延光寺)から四十番札所(愛媛県観自在寺)へと、足早に通り過ぎて行く姿に「ガンバッテ」と心で声援を送った。

二、夏の咸陽島はすばらしい。
満潮時にはポッカリ浮いている島が、大潮の干潮時には咸陽島まで道がつき、若い二人連れや家族連れが、大勢貝拾いに行ったものだ。又、近くの片島港から沖ノ島行き(県、唯一の離島)の巡航船が汽笛を鳴らして出航する。時間の経つのも忘れて船の姿がかすむまで見送ったものだった。

三、秋になると、裏山にある金比羅祭りが賑やかで、老若男女はもとより、漁師の方達が山へ山へと登った。そこから見下ろす宿毛平野は一面豊作で、黄金色の稲穂が美しく風になびいていた。

――散策、おわり

宿毛音頭は、今は宿毛市民祭の舞踊パレードや、市老人クラブ体育祭には力強い太鼓に合わせて踊っている。

私は宿毛に生まれ、宿毛に育った事を誇りに思っている。何故なら、みんな笑顔で暮らしていける街だからだ。
みんなで手を取り合って次の世代に笑顔でタッチしたい。

宿毛に乾杯!!

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