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市民記者の記事詳細

一夜限りの宴、沖の島ワイルドレストラン開店!

2017-06-12
沖の島ワイルドレストラン
きびなごの塩焼き
大きな「亀の手」!
地元で「たかっと」とよばれる巻貝
贅沢なお刺身!

「ワイルドレストラン、開店します!」

 掛け声とともに島の獲れたての魚介類をふんだんに使った一夜限りのレストランが開店した。

 ここは沖の島。高知県宿毛市の誇る有人離島の一つ。足摺宇和海国立公園に指定されており、手つかずの自然が残る。離島という特性から、貴重な植物や絶景と呼ぶべき風景を味わえる。人口は住民票上では168人、実数128人、高齢化が進む島だが、小さく畑を作る方や漁業に従事する方もまだまだ現役だ。

 沖の島ワイルドレストランは年に1回(平成27年度までは年2回開催だったが、平成28年度より年1回開催となった)開催されている。沖の島観光協会主催の1泊2日のイベントで、超新鮮!獲れたて魚介類を使った島料理と漁業見学や星空クルーズ、島内散策を通して、島の魅力を200%味わえる。今回は2017年5月20日、21日に開催された、「沖の島ワイルドレストラン&ウォーキング」をレポートします。

 本企画の目玉は何と言っても、企画名にもなっている「ワイルドレストラン」。島の獲れたての魚介類をふんだんに使った一夜限りのレストランだ。
 本日のメニューは、

1.うおめし(クロムツ)、
2.じゃんじる、
3.さしみ(カンパチ等)、
4.キビナゴの酢の物、
5.カツオの握り、
6.カツオの味噌ダタキ、
7.キビナゴの天ぷら、
8.メダイのフライ、
9.たかっと焼き。

 メニューが書かれた黒板と「ワイルドレストラン」の立て看板は島の小学生たちの作品。一生懸命工夫して書いた様子が想起される。会場の周辺にも、子どもたちが飛び回って遊ぶ姿が見られる。

 うおめしは脂がのったクロムツ。クロムツは深海魚、沖の島ではめったに上がらないし、高価なため地元の人の口に入ることは少ない。じゃんじるは、魚のあらの味噌汁。沖の島小学校の先生方が給仕をしてくださっていた。刺身は、ワイルドレストラン開店前に、定置網漁見学で現役の漁師さんたちが水揚げした魚たち。水揚げ後に参加者が見守る中、即座に血抜き、〆て、さばかれて食卓に並んだ。カツオの握り・味噌ダタキも島でこその鮮度。きらきらしたキビナゴは酢の物に、そして天ぷらに。ウルメ、メダイにも衣がつけられ、会場内でどんどんと油であげられていく。たかっとは、タカタカ、タカニナともいわれるサザエのような巻貝。魚介尽くし。どれも鮮度抜群で、地元ならではの味。

 料理はどんどん出てくる。小学生たちの看板にない料理として、亀の手ともよばれるセイ。宿毛の居酒屋でもおつまみとして、また、皿鉢料理でも出される。しかし、沖の島のセイは宿毛で食べられるものよりも、一回り、二回りは大きい印象。ブリカマ、切り身の塩焼き。魚ばかりだが飽きることがない。どれも食べごたえがある。なにより、島で食べる食材のおいしこと。思い出しただけでよだれが出てくる。地元の人たちが協力して一生懸命に準備をして、おもてなししてくれたことが五感で伝わってくる。得難い経験だった。

 食事がひと段落すると、沖の島の祭り唄の1つ、「舟唄」が披露された。
 市原商店の市原芳政さんがメインの唄い手となり、若手メンバーが合いの手を入れる掛け合いで唄が進んでいく。舟唄は、ゆったりした拍子で、鵜来島、水島、姫島、ユルギ、母島、ムロハエ、弘瀬など、沖の島界隈の島めぐりをするかのように、島や磯の名称が次々に出てくる。
島の外から来た参加者にとって、初めて聞いたはずの島の旋律がどこか心懐かしく聞こえてくる。舟唄にあわせて手拍子も起こり、会場が一体となっていく。

 ねり唄が終わると、サプライズの花火大会。多数の花火が、弘瀬の堤防から打ち上げられた。ものすごい至近距離。こんな間近で花火を見ることができる機会はそうめったにないだろう。

 こうして大満足で夜は更けていった。弘瀬から母島への帰りは、チャーター船で。満面の星空を見ながらの「スターウォッチングクルーズ」。大変贅沢な企画であった。

 翌日は、宿で朝食後、母島漁港から島内の名所をガイドと巡るウォーキング。母島→久保浦海水浴→長浜→白岩公園→弘瀬のうち、一部車での移動をしながら、全体で約10kmを歩いた。10kmというと、なかなか長い距離だが、ものすごい良い天気の中で潮風を満喫、あっという間の行程だった。

 本企画は、今回で6回目の開催。第1回目から毎回欠かさずに参加されている塩田さん夫婦によると「年々質があがっている」とのこと。最初は、島の女性たちの協力はなく、漁師のおんちゃんたちの「男の料理」で、刺身とあら汁とご飯、といったひねりのない本物のワイルドレストランだったそうだ。今回は、「天ぷらやフライ、酢の物といったメニューもあって嬉しい。味は第1回目から変わらず最高」という、うれしいコメントを頂いた。

沖の島の大自然の恵と島に住む人たちの温かさに触れられる「おいしい」企画になっている。ぜひ一度体験してみてほしい。