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市民記者の記事詳細

「蛍の郷 黒川」を守る「宿毛のほたる爺さん」とは

2017-05-17
ほたる
蛍の郷黒川
ほたる爺さん
黒川
黒川

「5月20日頃からが見ごろになるね。5月25日頃が新月になるけん、ほたるの瞬きが川に映ってざまにきれいにみえるんじゃなかろうか」

 宿毛市平田町黒川のほたるがまもなく見ごろを迎える。「電気の明かり消えてもほたるの明かりで照らしてやる」という心意気で活動する「宿毛のほたる爺さん」と「蛍の郷 黒川」をご紹介する。

-宿毛のほたる爺さん

 宿毛市平田町には、ほたるファンの間では知らない人はいない隠れた有名人がいる。

 堀内慶治さん82歳。中筋川ダムの約2km下流の集落に暮らす。ほたる一筋40年以上、調査・研究と生育環境を整える活動を続けている。活動の甲斐あって、中筋川、黒川界隈は毎年多くのほたるが舞い飛び、地元の方々をはじめ、ほたるファンの方々を楽しませてくれている。

■「365日毎日ほたるじゃけん」と語るほたる爺さんとは

 堀内さんは、個人で中筋川のほたるの生育環境を整えて、かれこれ40年以上になる。農薬の空中散布でほたるがほとんど見られなくなったとき、「これではいかん」と一人立ち上がったのがきっかけ。
 ほたるを増やすためには、ほたるのエサとなるカワニナを増やす必要があると考えて、まずカワニナの養殖を開始。川からカワニナを見つけてきて、エサを与えたりして、少しずつ増やしていった。同時に、当時は手入れが行き届かず、川沿いの草むらにゴミの不法投棄も多くあったところを、少しずつきれいに整えていった。カワニナのエサもいろいろと実験を繰り返した。試行錯誤の結果、傷んだ野菜やペットフードをつぶして土と混ぜて団子状にしたものなど、カワニナが好むものを突き止めることに成功。
 自宅での養殖だけでなく、エサは定期的に川にも入れている。傷んだ野菜を川に入れる時には、川を汚すことがないよう、網に入れるようにしており、川に入れてから1週間程度で引き揚げて処分する。また、土団子は、パチンコを使って川の真ん中まで投げ込むようにしている。ほたるのエサとなるカワニナにエサをしっかりと与えて増やしつつ、河川環境を壊すことがないように配慮を怠らない。「365日毎日ほたるじゃけん」。そう語る堀内さんは毎日毎晩中筋川の見回りを欠かさない。
 堀内さんのお話をお伺いしていると、ほたるの話が止まらない。去年は大阪から教育旅行で三原村に泊まっていた子どもたちが黒川までほたるを見に来てくれて感動して帰ったとか、中筋川ダムの関係者の方々にも感動してもらえたとか、夜なかなか眠れず目がさえるときにほたるの本を読み返したり今まで自分で撮りためてきた記録写真を確認しているとか。堀内さんのほたる愛が伝わってきて、聞いている方までわくわくして、楽しくなってくる。


■ほたるの生態

堀内さんは40年以上ほたるの研究と観察、保護活動を継続しており、ほたるについてものすごく詳しい。ほたるの生態と今年の状況について、教えてもらった。

ほたるは幼虫が陸に上がってから50日ほどで飛び始める。陸に上がるとまず、土を5mmほど掘って、口から粘液を出して土を固め、10日間くらい時間をかけて成虫になるための巣を整える。その後、巣の中でさなぎとなって、体を作り替える。さなぎから羽化して成虫になってから、2週間ほどがほたるの寿命だ。羽化して間もなくはあまり飛ばず、川辺の草について、光る。数日たつと、だんだんと飛ぶのも上手になって、ぴかりぴかりときれいに光って私たちを楽しませてくれる。
今年(2017年)、一番早い幼虫が川から上がっているのを確認したのは、3月14日。最初に飛んでいる姿を確認したのが5月9日で3匹、翌日には5匹、5月12日には12匹と着々と増え、5月16日には20匹以上が確認されている。
今年の見ごろは、いつでしょうか?ずばりお伺いした。

「5月20日頃からが見ごろになるね。5月25日頃が新月になるけん、ほたるの瞬きが川に映ってざまにきれいにみえるんじゃなかろうか」

皆さんもお誘いあわせて、宿毛市平田町黒川のほたるを見に来てはいかがだろうか。以下、長年堀内さんが整備を続けてきた「蛍の郷 黒川」をご紹介する。

■「蛍の郷 黒川」のアクセスと注意事項



 「蛍の郷 黒川」は、国道56号線平田交差点(三原分岐)を三原方面に県道21号線を2kmほど直進、左手にごみ置き場があって道が広くなる場所を川沿いに500mほど進んでから、かわらに降りていくところにある。車での進入が可能で、広い駐車スペースがある。「蛍の郷 黒川」という看板が立っており、モミジの木と団らんできるテーブルと椅子が設置しているのでわかりやすい。
 ほたるの季節になると、多くのお客さんが宿毛市内外からお越しになる。子どもたちに楽しんでもらいたいという気持ちで、天気の良い日に堀内さんは虫取り網を貸したり、ほたるのお話をしたり、もしている。車での進入も可能であるため、車のヘッドライトが鑑賞の邪魔をすることがあるかもしれないが、ほたるを愛でる仲間が一組増えたことを喜んでもらえるとよいだろう。交通マナーと思いやりの気持ちをもってぜひほたるを楽しんでもらいたい。