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四国八十八ヶ所三十九番札所「赤亀山 寺山院 延光寺」は、神亀元年(724年、奈良時代のはじめ)、聖武天皇(在位724~49)の勅命で全国を行脚した行基菩薩によって開山されました。
当時の山名は「鶴亀山 施薬院 宝光寺」。本坊のほかに十二坊が建立され、ご本尊は安産・厄除けを祈願して行基菩薩が彫像した薬師如来像です。この像は胎内に、行基菩薩が感得した仏舎利を秘蔵していると伝えられています。
【延光寺】
住所:〒788-0782 高知県宿毛市平田町中山390
電話番号: 0880-66-0225
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平安時代初期の延暦14年(795年)、四国を巡錫していた当時21歳の青年僧・空海がここに立ち寄られました。空海和尚はこの寺を、桓武天皇(在位781〜806)の勅願所として再興し、本堂に日光・月光菩薩像を安置して、七堂伽藍を整えた、といわれています。このとき大師が錫杖で地面を突いて湧き出た霊水が、本堂の脇にある「眼洗い井戸」です。

↑延光寺の山門。古い立派な御門です。

延光寺の前身であるこの寺が、現在の「赤亀山 寺山院 延光寺」に改名されたのは延喜11年(911、平安中期)の頃。こんな伝説が残っています。
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その昔、お寺の池に住んでいた赤亀が姿を消し、竜宮より銅の梵鐘を背負って帰ってきました。
神意を感じた宝光寺の僧たちは、この梵鐘を寺に奉納し、山名を現在の「赤亀山 寺山院 延光寺」に改めた、というものです。

「弥勒寺鐘」と刻印されたこの鐘は、高知県内では最古の梵鐘で、国内でも7番目の古さ。国の指定重要文化財に指定されています。
ちなみに明治のはじめ頃、高知県議会はこの鐘を議会場に移し、開会と閉会の合図として打ち鳴らしていたそうですが、現在は延光寺で大切に保管されています。

↑境内にある赤ガメの像。梵鐘は実物大です。

延光寺の真言は「おん ころころ せんだりまとうぎ そわか」。
土佐路の西南端にあり、「修行の道場」最後の霊場です。

延光寺にお参りの際にはぜひ、真言をとなえ、お寺の由来にも思いをはせてみてください。
※お四国遍路は空海和尚はが44歳の厄落としとしてはじめたのが興りだといわれています。
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延光寺の見どころ
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眼洗い井戸

本堂の右手にある泉。大師により「宝医水」と名づけられ、眼病や安産にご利益があるとして地元の信仰を集めています。

大赤亀の石像

竜宮城伝説にちなみ、赤い大きな亀が背中に鐘を乗せています。
仁王門をくぐった右手にある可愛い像です。※鐘は実物大。

カメ吉とカメ子

延光寺のお池には、春になると近くの山からカメが2匹おりてきます。
野生のカメで性別も分からないのですが、和尚さんや近所の人たちは「カメ吉」「カメ子」と呼んで可愛がっていらっしゃいます。
カメ吉・カメ子が来るようになったのは平成10年頃。お天気の良い日にはお池の石の上で甲羅干しをしたり、早朝に境内を散歩したり、のんびり暮らしているそうです。
カメ吉・カメ子は冬眠までの間をお寺で過ごし、秋になると山に帰っていきます。
延光寺にお越しの際にはぜひ、カメ吉・カメ子を探してみてください。

延光寺の7つのカメの不思議

延光寺は通称をカメ寺といいます。境内には、カメをかたどった岩や植木が全部で7つ、置かれています。お時間がある方はぜひ、”境内の7つガメ”を探して境内を散策してみてください。