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「いらっしゃい!」「三本!」
土佐の宴会でお酒が進むと、必ずといっていいほど始まるお座敷遊び・はし拳。
高知県全域で行われていますが、宿毛で発祥したゲームです。
嘉永2年(1849年)、宿毛の大黒屋丑松のもとを訪れた鹿児島の船頭により薩摩拳(別名なんこ)が伝えられ、それを宿毛の船頭たちが発展させました。当初は金銭をかけた博打でしたが、いつしか負けた方がお酒を飲むお座敷遊びに変容。明治34年、土佐のはし拳好き21人によって「はし拳講」がはじめられ、日露戦争の頃に土佐の実業家たちによって県下に広められたということです。

→はし拳で遊んでみよう!「手ぶらではし拳体験in宿毛市観光協会」

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はし拳のルール

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道具:はし6本(3膳)
※短めの朱塗りのはしを使います。
①「受け」「打ち込み」を決める 
※向かい合って座り、じゃんけんで「受け」と「打ち込み」(先攻・後攻)を決めましょう。勝ったほうが「打ちこみ」です。(後攻のほうが有利なため)はしを3本ずつ背にかくし持ちます。

③ 「受け」が「いらっしゃい!」
※「受け」は相手に見えないよう はし を背中にかくし、「いらっしゃい!」と言いながら、腕を前にだします。
はしの数は0~3本の4通り。このとき、持った はし の数が0~1本なら「1本」、2~3本なら「5本」を後で宣言するので覚えておいてください。宣言するとき「1本」「5本」以外の数を言ったり、1本しか持っていないのに「5本」と言ったりするとチョンボです。相手にはしの本数をさとられないよう注意!

「打ちこみ」は「受け」の出したはしの本数を予想して、合計が3本になるようにはしを握り、「3本!」の掛け声とともに前にだします。
⑤ 「受け」は、先ほど決めた「1本」または「5本」をいきおいよく宣言します。
⑥ 両者、手を開いてはしを見せ合い、自分が宣言した数と場の本数が合っていたほうの勝ち。両者ともに間違っていたら、あいこです。
⑦「受け」「打ちこみ」を交代して再度チャレンジします。 3本勝負で、先に2勝したほうの勝ち。負けた方は座におかれた罰杯(ばっぱい)を飲み干しましょう。
※お酒を飲めない人や弱い人、これ以上飲まないほうがいいような人には、周囲から助け舟を出しましょう。はし拳は、宴席に慣れた大人の遊びです。
<コツ>
●「受け」「打ちこみ」ともに決められた数以外を言うとチョンボ(失敗)、負けです。
●はしの出方は16通り。「受け」「打ちこみ」それぞれ4通りずつ、勝ちのパターンがあります。
●「その顔は1本やね」「かかっておいで」などやじを飛ばして相手の表情を読みましょう。はし拳は頭脳戦です。
●上級者は相手の手の握り方や手首の角度などから何本握っているか分かるそうです。持ち方やだし方を工夫して、相手をだますのはもちろん有り。うまく出し抜いて、勝利の喝采をあびましょう!